AI規制・政策
2026年9月4日

今日の要点
米国の送電網の整備がAI需要に追いつかず、電力不足が当面の制約要因になる一方、ELYZAはAIアプリ生成特許を取得し、GoogleはハリウッドとのAI契約を模索しています。また、米政府はOpenAIを支持し、AI駆動の生物テロ対策やドローン規制の見直しも課題として浮上しています。AI政策を巡る動きは、電力・特許・安全保障・表現の自由の各領域で同時に具体化しつつあります。
主要ニュース
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AIには今すぐ電力が必要だが、米国の送電網は数年遅れている
Grid Strategiesのロブ・グラムリック氏によると、OpenAI、Google、Metaは、それらの電力供給に必要な発電・送電設備を米国が建設するよりも速くAIインフラを構築できるという。送電網の整備ペースが遅いため、データセンターは何年もの遅延や、一時的・停止可能な電力接続に直面する可能性がある。 ローレンス・バークレー国立研究所によると、データセンターの電力消費は2030年までに米国の総電力の約12%に達すると予測されており、2018年のシェアの約6倍にあたる。NERCの2025年度評価では、北米の夏のピーク需要は今後10年間で224GW以上増加すると予測されており、これは前年の予測より69%増で、新設のAIデータセンターが主因となっている。
Marshのキャスリン・バーク氏は、データセンター案件の50~60%は遅延し、企業が期待する1~2年の期間内に稼働しないと予測している。2025年に稼働した米国の電力プロジェクトは、送電網への接続申請から商業運転開始まで中央値で5年かかった。
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ELYZA、AIアプリ生成特許を取得
KDDIグループのAI企業ELYZAは9月3日、企業向けツール「ELYZA Works」内で生成AIを活用して業務用AIアプリを生成するシステムについて特許を取得したと発表した。 特許は、アプリの要件定義を精緻化し、指示や入力変数を生成し、入出力フォームを作成する仕組みを対象としている。X上では「これで特許が取れるなら問題だ」など、新規性や進歩性を疑問視する批判の声が上がっている。国内企業が業務用AIアプリ生成の特許を巡り、今後類似の権利侵害を争う可能性がある。
特許には、生成後にユーザーがアプリを修正する仕組みも含まれる。Xでの批判は、特許の有効性をめぐる論争の可能性を示唆している。
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AI駆動の生物テロ脅威に警鐘
フィナンシャル・タイムズによると、テック企業はAI駆動の生物テロリズムの脅威を減らす対応に追われている。AIモデルは創薬を加速させる一方、悪用のリスクも抱える。Google DeepMindの研究者は、ワクチン用情報が「生物兵器を作り出せる」と指摘した。 AI安全専門家は、Anthropicのモデルが大半のソフトウエアの脆弱性を見抜く能力に言及し、「AIとバイオにとっての『Mythos』の瞬間」と警告。テロ組織は既にAIを利用しており、バイオ分野のリスク評価はサイバーセキュリティより難しい。免疫学者は「失敗は一度で十分」と語る。国内の創薬関連企業は、AI技術の悪用防止策の強化を迫られる可能性がある。
バイオ分野のリスク評価がサイバーセキュリティより難しい中、AIラボが危険な利用を防ぐ現在の対策が十分かどうかが見どころだ。
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米政府がOpenAI支持、NYT著作権訴訟で
トランプ政権は9月1日、米司法省を通じてニューヨーク連邦裁判所に意見書を提出し、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の著作権訴訟でOpenAIを支持した。記事をAI訓練に使うのは合法だと主張している。 この訴訟は、著作権で保護された新聞記事を使って大規模言語モデル(テキストを理解・生成するAI)を訓練することが著作権法違反にあたるかどうかを争うものだ。OpenAI側に有利な判決が出れば、ウェブ上のコンテンツに依存するAI開発者の法的リスクを減らす先例となる可能性がある。国内の報道各社がAI訓練向け記事利用の権利を巡り、同種の紛争に直面する可能性がある。
裁判所の判断は、AI各社が訓練データをどう調達するかに影響を与え、最近同様の訴訟を和解したAnthropicなど他社の今後の著作権紛争にも波及しうる。
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FAA幹部、ドローン拡大にPart 108不十分
ラスベガスで開催されたCommercial UAV Expoで、FAA幹部が、日常的なBVLOS(目視外)ドローン運用には、提案中のPart 108規則に加え、空域の近代化、情報共有、セキュリティ対策が必要だと述べた。Jessica Jones氏とBen Supko氏が発言し、Kenji Sugahara氏が進行役を務めた。 Part 108は、個別承認を拡張可能で予測可能な枠組みに置き換えるものだが、Jones氏はFAAがNAS(国家空域システム)の近代化と情報共有も進める必要があると指摘。Supko氏は、運用が増えれば、通常のパラメータから外れたドローンを特定するデータが増え、セキュリティが確保しやすくなると述べた。国内の物流現場などで目視外ドローン運用が拡大するには、規制だけでなく空域整備や情報共有の仕組み整備が不可欠になる可能性がある。
Jones氏によると、UTMシステムはすでに150万件のBVLOS運用の衝突回避を処理しており、この数字はさらに増える見込み。Part 108規則が中心となるが、規制とデータ、セキュリティ、研究、テストを連携させることが運用拡大の鍵になるとの認識が示された。
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GoogleがAI契約でハリウッドに接近
Googleはディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、ユニバーサルなど大手スタジオに対し、AIトレーニング用の著作権コンテンツ利用許諾を打診し、数億ドル規模のオファーを提示したと報じられている。ディズニー/ピクサー級のスタジオが持つ一キャラクターの使用権だけで約4000万ドルに達する可能性があり、総額は数十億ドル規模に膨らむ見通しだ。 こうした契約が成立すれば、GoogleのGeminiが人気キャラクターの公式画像を生成できるようになり、AIに対する世間のイメージ改善につながる可能性がある。一方でスタジオ側は、クリエイターや観客の反発を招くリスクを負う。特に『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』でのAI使用に対する否定的な反応は、同作が20億ドルの興行収入を挙げたにもかかわらず、警戒材料となっている。国内のアニメ・映像制作企業は、海外主要スタジオの出方を踏まえ、著作権コンテンツを巡るAI企業との交渉環境が変わる可能性がある。
ライオンズゲートが2024年にRunwayと結んだ契約がまだ具体的な成果を生んでいない中、主要スタジオがGoogleのオファーを受け入れるかどうかが焦点だ。AIが制作費を削減する一方で雇用を危険にさらす可能性も、重要な検討材料として残る。
今後の注目点
今後は、AIを巡る規制や訴訟の行方が、企業の戦略判断や電力・インフラ計画にまで直接的な影響を及ぼす局面が続くでしょう。特に、データセンターの稼働遅延や著作権を巡る裁判の結果次第では、業界全体の開発スピードや投資先が大きく変わる可能性があり、AIの安全対策や無人航空機の運用拡大とあわせて、その動向が注目されます。
情報ソース
- Why Does the Microsoft–Chevron Power Deal Matter for the Future of AI Competition?
- AAM Asks the FTC to Investigate Whether AI Shopping Tools Are Ignoring Made in America Products
- The Fight for Serious AI Regulation Just Won a Big Victory in Massachusetts
- Uber drivers launch European class action over ‘soulless’ and ‘scary’ AI algorithm
- Safety overview: GPT-6 Astra
- AI wants electricity now. The electric grid needs years to catch up
- Sen. Bernie Sanders (I-VT) and Rep. Greg Casar (D-TX) introduce legislation to ban Artificial Superintelligence and temporarily pause advanced AI development
- 「AIで業務アプリを作成する仕組み」で特許取得、KDDI傘下のELYZA X上では一部批判も
- Experts warn of threats of AI bioterrorism
- 米政権「AI学習に記事利用は合法」 NYタイムズ訴訟でOpenAI支持
- Scaling Drone Operations Will Require More Than Part 108
- Google needs Hollywood more than the studios need AI
- 茨城県鹿嶋市は「公式Web×Claude」で市民対応をどう変えた? Claude Codeで内製化も
- Trump may be forced to reveal secret rules feds use for AI safety testing
- US Department of Justice backs fair use for AI training in landmark copyright case
- Mamdani to New York City kids: No AI until high school
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