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オープンソースAI

2026年6月23日

オープンソースAI

今日の要点

オープンソースAIの競争が加速しており、DeepSeekが推論能力を強化した新モデルを公開、Kreaは「Krea 2」のオープンウェイト版で高品質な画像生成を実現するなど、各企業が次々と新機能をリリースしています。一方、Hugging Faceが論文共有プラットフォーム「Papers with Code」を復活させ、OpenAIが「Patch the Planet」でセキュリティ支援を発表するなど、オープンソースエコシステムの質と安全性の向上も進んでいます。

主要ニュース

  1. 1

    DeepSeekが推論能力を強化した新モデルを公開し、オープンソースAIの競争が加速しています。

    DeepSeekが新しいオープンウェイト推論モデルをリリースしました。このモデルはコンテキスト長(AIが一度に処理できる情報量)を1M トークン(V3.2の128Kから拡張)に拡張し、推論(AIが答えを導き出す処理)の能力を向上させています。 オープンソース形式のAIモデルが業界標準に対して競争力を持つようになることで、企業がクローズドなサービスに依存する必要性が減少する可能性があります。特に推論能力の向上は、複雑な問題解決を求める利用者にとって選択肢を広げることになります。

    新モデルはDeepSeek-V3.2比で27%のFLOPs(計算量)で動作する点が特徴です。これにより、より低いコスト・消費電力でAI処理を実行できる可能性があり、導入を検討する組織にとって実装の効率性が向上しています。

  2. 2

    Kreaが新型画像生成AI「Krea 2」のオープンウェイト版を公開し、企業向けの高速・高品質な画像生成を実現する一方、ライセンス要件として違法コンテンツ生成を防ぐ技術的safeguardの実装を全ユーザーに義務づけています。

    AI画像生成スタートアップのKreaが、新モデル「Krea 2 Raw」と「Krea 2 Turbo」の2つのバージョンをオープンウェイト(モデルの重み付けパラメータを公開)で提供開始し、Hugging Faceで公開ダウンロード可能にしました。50席以上の企業にはエンタープライズ利用料の支払いを要求し、全ユーザーに違法素材や非同意の私的画像、児童虐待素材、名誉毀損資産の生成を防ぐ技術的safeguardの実装を義務づけています。 企業向けAI画像生成は既に導入が進む一方、生成された画像が単調で没個性的な「AI slop」になりがちという課題があります。Kreaの新モデルは、より視覚的多様性を備えることで、ブランド資産の差別化を支援する狙いとみられます。

    モデルはHugging Faceで無料ダウンロード可能ですが、カスタムライセンス条件下では、違法素材やNCII(非同意の親密画像)、CSAM(児童虐待素材)、名誉毀損資産の生成を防ぐためのセーフガード実装が全ユーザーに必須となります。

  3. 3

    Hugging Face が研究論文の発見・共有プラットフォーム Papers with Code を復活させ、最新の研究成果を追跡できる SOTA バッジ機能を追加しました。

    Hugging Face のオープンソースチームが Papers with Code の復活に取り組んでおり、論文が特定のベンチマーク(性能評価指標)で上位3位以内のスコアを達成した際に表示される SOTA(最高性能)バッジ機能を新たに追加しました。この機能は論文フィードのどのページでも表示されます。 研究の発見と共有が重要な時代に戻りつつあるなか、このプラットフォームは研究者が互いの成果を見つけ、そこから新しい研究を構築できるようにするためのものです。SOTA バッジは最新の進歩を視覚的に明確にすることで、業界全体の研究動向を追跡しやすくなります。

    GLM-5.2 など最近の論文が PostTrainBench などのベンチマークで SOTA を達成している例が既に表示されており、プラットフォームは https://paperswithcode.co/tasks/video-classification などの各タスク別フィードでも利用できます。

  4. 4

    OpenAIがオープンソース・プロジェクトのセキュリティ向上を支援する「Patch the Planet」を発表—脆弱性の発見・修正をAIと人間の手で加速。

    OpenAIはセキュリティ企業のTrail of Bitsと協力し、「Patch the Planet」というプログラムを立ち上げました。Trail of Bitsのセキュリティエンジニアがオープンソース・プロジェクトのコード上の問題を直接レビューし、OpenAIのCodex Securityなどのセキュリティツールを使って修正を支援するものです。 オープンソース・プロジェクトは商用ソフトウェア産業の基盤ですが、分散的な管理体制のため脆弱性が多く残り、それが商用コードベースの問題に波及する恐れがあります。本プログラムはOpenAIのAIをセキュリティ向上に活用することで、オープンソース・メンテナーの負担を軽減しつつ、AIツールが自動的にバグを悪用する可能性に対抗しようとするものとみられます。

    プログラムはセキュリティエンジニアが報告内容を事前に精査し、プロジェクトと協力してパッチとテストを開発し、今後の改善に向けた再利用可能なワークフローを構築する仕組みになっています。ただし、長期的な運用方法やスケーリングの計画については、詳細が不明確です。

  5. 5

    AI新興企業Reflectionが、SpaceXのコロッサス2データセンターから月額$150 million(約240億円)でGPU調達する契約を締結しました。

    Reflection AIはSpaceXと契約を結び、Nvidia GB300s(高度なAIモデルの学習・実行に用いられるAIチップ)へのアクセス権を得ました。同社は2026年7月1日から2029年を通じて、毎月$150 million(約240億円)をSpaceXに支払うことに合意しています。 大規模なAI開発には膨大な計算能力が必要とされていますが、Reflectionがこのような大型の長期契約を結ぶことで、自社の計算リソース確保の課題に対応する取り組みを進めている状況がうかがえます。

    契約期間は2029年を通じて続く予定で、金額は月額$150 million(約240億円)となっています。なお、SpaceXとReflectionは報道機関への問い合わせに対してコメントを控えています。

  6. 6

    オープンソースのAI-Gatewayが公開され、セマンティックキャッシング機能によってLLM API呼び出しのコストを削減できるようになりました。

    AI-GatewayというオープンソースのセマンティックキャッシングプロキシがGitHub上で公開されました。このツールは、意味的に似ているLLM(文章を理解・生成するAI)への問い合わせをキャッシュすることで、重複した処理を減らし、API呼び出しの効率化を実現します。 LLM APIの利用コストは企業にとって大きな負担です。セマンティックキャッシングにより、同じような質問に対して何度もAPIを呼び出す必要がなくなるため、コスト削減につながります。オープンソース化されているため、企業は自由に導入・カスタマイズできます。

    GitHubのリポジトリ(https://github.com/Arnab758/ai-gateway)で公開されており、すぐに利用開始できます。

今後の注目点

オープンソースAIの効率化と安全性の両立が進む中、DeepSeek-V3.2比で27%のFLOPs削減を実現した新モデルや、GLM-5.2などの最新モデルがベンチマークで次々と成果を上げている点に注目です。今後、これらのより効率的で安全なAIツールがGitHubなどで公開され、組織への導入が加速することで、AIの民主化がさらに進むかどうかが鍵となります。

情報ソース

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