AIToday毎日のAIニュースダイジェスト

ロボティクス

2026年9月1日

ロボティクス

今日の要点

防衛費要求が過去最高の8.9兆円となる中、ロボティクス分野では物理AIの活用が本格化しています。パナソニックHDはAI・ロボット研究開発本部を新設し、ファナックとNVIDIAが工場ロボットの革新に乗り出す一方、京セラ・神鋼など20社が物理AI連合を結成しました。ただし、ヒト型ロボットの失敗が不信を招く事例もあり、エッジAIの限界を補う新数学の開発が急務です。

主要ニュース

  1. 1

    防衛費要求が過去最高の8.9兆円に

    防衛省は2027年度予算案として過去最高の8.9兆円(560億ドル)を要求した。5年間で43兆円とする計画の最終年度にあたり、指揮統制へのAI活用、極超音速水中発射ミサイル、無人機などが盛り込まれた。 年末までの国家安全保障戦略など3文書の改定に伴い、この額はさらに膨らむとの見方が広がる。一部当局者は10兆円超えもあり得るとし、米国から国防費のGDP比3.5%を迫られる一方、日本側は既に2%前後を支出していると主張する。国内の防衛関連事業者は、過去最高の予算要求に伴い無人機やAI関連の調達拡大が自社事業に及ぶ可能性がある。

    要求には無人航空機(UAV)に87億円、小型攻撃用ドローンに363億円、無人地上車両に95億円が計上された。また、政府関与の新組織や、一部の防衛事業での政府所有・事業者運営(GOCO)モデルへの移行も示された。

  2. 2

    ヒト型ロボットの失敗、不信招く

    米大学などの研究チームが、感情を表現できる商用ロボット「Pepper」を使い、50人を対象に会話と共同意思決定の実験を実施。ロボットが会話の規範を破るミスをした際の脳活動とオキシトシン値を測定した。 ロボットがミスをした時、無表情のロボットより表情豊かなロボットの方が、人は不信感を強め、アドバイスに従わなくなることが分かった。オキシトシンは「愛情ホルモン」として知られるが、この場合は親しみではなく警戒心と連動していた。日本の感情表現型ロボットの信頼は、ミス時に逆に損なわれる可能性がある。

    表情豊かなロボットのミスは「技術的な故障」ではなく「社会的な規範違反」として認識され、脳内で社会的判断に関わる領域の活動が連携して高まることが示された。

  3. 3

    パナソニックHD、AI・ロボット研究開発本部を新設 榊原CAIOが統括

    パナソニックホールディングスは2026年8月28日、2026年10月1日付で技術部門を再編すると発表した。新たに「AI・ロボット研究開発本部」を設置し、現在のDX・CPS本部は「事業開発本部」に改称する。 新設のAI・ロボット研究開発本部は、AI・ロボット・クラウド・データに関する人材、技術、開発機能を集約する。事業会社や関連会社との連携を通じてグループ全体の技術・開発力を強化し、グループ横断型モデルによるAI活用や新事業創出を促進することを目指す。国内の家電・電機メーカー各社は、AI・ロボット分野での技術集約型の組織再編を自社でも検討する可能性がある。

    AI・ロボット研究開発本部は、パナソニックホールディングス執行役員・グループCAIOを務め、パナソニックコネクト執行役員CTOでもある榊原隼人氏が統括する。事業開発本部は、現在DX・CPS本部を率いる持丸浩二氏が担当する。

  4. 4

    ファナックとNVIDIA、物理AIで工場ロボット革新

    産業用ロボット世界大手のファナックとNVIDIAは、記事で「Physical AI(物理AI)」と呼ばれる、現実世界を理解して行動するAIシステムをファナックの全ロボット製品に統合する戦略的提携を結んだ。この協業は、ファナックのロボットハードウェアとNVIDIAのOmniverse、Isaac Sim、Isaac Lab、Jetson Thorエッジコンピューターを組み合わせる。 従来の産業用ロボットは手動プログラミングと専用ツールが必要で、製品バリエーション切り替えに時間とコストがかかる。記事によると、ロボットが仮想シミュレーションでタスクを学習し、追加調整なしで実機にそのスキルを展開できるようにするのが目標で、立ち上げ時間を数週間〜数ヶ月から実質ゼロに短縮し、製造ラインの柔軟性を大幅に高められる可能性がある。国内の製造現場で、ロボットの立ち上げ時間が大幅に短縮される可能性がある。

    記事は、熟練作業員の動きを模倣して2台のファナックCRX協働ロボットがTシャツ折りたたみを学習したデモを紹介しており、NVIDIAのGR00T N基盤モデルを使用している。また、ファナックのROS 2ドライバーが1msの高速ストリーミング制御をサポートし、Jetson Thorモジュールが従来のJetson AGX Orin比7.5倍のAI性能を発揮することも指摘している。

  5. 5

    エッジAI限界、新数学が必要に

    新たな分析が、組み込み型AIシステムが「エッジAIの壁」と呼ばれる構造的ボトルネックに直面し、搭載計算能力の限界と探索空間の指数関数的成長により、従来のスケーリングが非効率になると主張している。 物理ロボットはクラウドAIと異なり、エネルギーと遅延に厳しい制約がある。チップが高速化しても、組み合わせ爆発によりプランニングが実行不可能になるため、新たな数学的アプローチが必要だ。国内の製造業などが組み込み型AIの限界に直面し、新たな数学的手法の導入を迫られる可能性がある。

    提案された「組み合わせ圧縮エンジン」はシミュレーションで探索空間を8〜11倍削減した。実際の検証と採用は未解決の課題だ。

  6. 6

    京セラ・神鋼など20社、物理AI連合

    京セラ、神戸製鋼所、その他約20社が、金沢のスタートアップAlum主導で物理AI実現に向けた連合を結成した。 物理AIとは、ロボットや産業機器など実世界で動作するAIを指す。今回の連携は多様なメーカーが集まり、こうしたシステムの開発・導入を進めることで、実用化を加速させる可能性がある。国内の製造業各社が物理AIの実用化に向けた連携を進める可能性がある。

    連合が物理AIに注力することで、産業企業がAIを製品やプロセスにどう組み込むかに影響を与える可能性があるが、具体的な製品や時期は未発表だ。

今後の注目点

今後は、防衛予算の具体化や物理AIへの投資が進む中で、ロボットが社会の規範を理解しながら人と協働する動きと、その技術が実際の現場でどこまで応用されるかに注目が集まります。

情報ソース

このニュースを友達にシェア

気になりそうな人に、今日のまとめをそのまま送れます。

AITodayで毎日のAIニュースを無料で受け取る

今日のAIを、今日の仕事に。Email / LINE / Slack 配信。

無料で登録する