AIToday毎日のAIニュースダイジェスト

AI規制・政策

2026年9月2日

AI規制・政策

今日の要点

米国下院がAI企業への新たな課税法案を提出し、AppleはOpenAIの証拠隠滅を非難するなど、AIを巡る企業と政府の緊張が高まっています。一方、日本は投資詐欺対策や民事裁判でのAI活用を進め、OpenAIはカリフォルニア州の青少年保護法案を支持する一方、英中銀総裁は金融リスクを警告しました。こうした動きから、AI規制は企業責任と社会実装のバランスを同時に迫る局面に入っています。

主要ニュース

  1. 1

    米下院、AI企業への課税法案提出

    サラ・ジェイコブス、グレッグ・カサー、ヴァレリー・ファウシー各下院議員が提出した新法案は、大手AI企業に物品税を課す内容だ。失業率が5%以下の場合、税率はAIトークン価値の2%、AIサービス収益の3%から始まり、失業率の上昇に応じて自動的に引き上げられる。 この法案は、AIによる雇用喪失に備えようとする超党派の議会の動きの一環だ。ロン・ワイデン上院議員の法案、データセンターのエネルギー使用量に基づくAI企業への課税を求めるエリザベス・ウォーレン氏の主張、OpenAI、Anthropic、xAIへの50%の一時課税を提案するバーニー・サンダース氏の計画などが類似の取り組みとしてある。国内のAI関連サービス利用企業は、課税動向次第で利用コストが変動する可能性がある。

    この法案の税収は、住宅建設、インフラ、子ども・高齢者介護などの分野での雇用創出に充てられる。AI企業からの反応はまだない。OpenAIとAnthropicは、提案された課税への支持についての質問に答えなかった。

  2. 2

    Apple、OpenAIの証拠隠滅を非難

    AppleはOpenAIとの法廷闘争で急速な証拠開示を求めており、同社が証拠を積極的に破棄していると主張している。月曜日に提出した申立書で、AppleはOpenAIが訴訟の中心となった元従業員が使用していたMacBookをようやく引き渡したと述べ、その中にはフォレンジックデータの破棄に関する議論が含まれていたという。 この訴訟は、OpenAIがAIデバイスを構築するために営業秘密を盗んだと非難するもので、OpenAIに加わった元Apple従業員3人が関与している。AppleはMacBookの検査で、従業員の1人であるChang LiuがAppleの機密回路図をダウンロードし、OpenAIでの業務に使用したことを発見したと主張している。国内のAI開発企業は、人材引き抜きや営業秘密管理を巡る訴訟リスクを再認識する可能性がある。

    OpenAIはこの紛争を「Apple自身が招いた混乱」と主張し、LiuがAppleの情報に不正にアクセスした証拠はないと述べている。Appleの検査では、Liuが6月の内部調査を知った後、Apple所有のデバイスを復元して使用することについて話し合ったメッセージも発見された。

  3. 3

    日本、投資詐欺対策にAIを活用へ

    消費者庁は火曜日、国民生活センターに寄せられる年間約90万件の相談を生成AIで分析し、詐欺の手口や事業者破綻の初期兆候を検出する方針を明らかにした。 消費者担当相の河田仁氏は、詐欺による被害が発生した後の回復は困難なため、迅速な対応が重要だと指摘。AIシステムにより、消費者庁はより早い段階で介入し、消費者にタイムリーな警告を発することができるようになる。

    消費者庁は来年度から、全国の消費生活センターから専門家を派遣し、寄せられた事例や悪質業者の手口に関する情報収集も行う予定だ。

  4. 4

    最高裁、民事裁判でAI活用へ実証

    最高裁判所は2027年度予算案にAI関連費用として約6000万円を計上。初の試みとなる。実証試験では、和解が成立した訴訟記録を使い、裁判官がAIに文書を入力して要旨や争点のリストの草稿を作成する。 今年1月と2月に東京・大阪地裁の中堅裁判官6人が実施した試験では、AIが要旨作成や争点整理に役立つ一方、重要事実の省略で裁判官の偏見を強化したり、もっともらしいが誤った回答をする可能性が指摘された。グループはAIは裁判官の補助役に位置づけるべきだと結論付けた。国内の民事裁判手続きに関わる弁護士や訴訟関係者にとって、AIが裁判官の補助として審理の迅速化をもたらす可能性がある。

    最高裁デジタル施策企画室の永田真之氏は、AIにより審理の迅速化・効率化が期待できると述べた。最高裁は次年度中に実証試験の結果を公表したい考えだ。

  5. 5

    OpenAIがカリフォルニア州の青少年AI安全法案を支持

    OpenAIは、10代の若者を対象とした強力で年齢に適したAI安全対策の確立を目指すカリフォルニア州上院法案1119号への支持を表明した。 この法案は、若者がAIを学び、創造し、探求する機会を守りつつ安全性とのバランスを図るもので、未成年者へのAI影響を規制する動きの広がりを反映している。

    カリフォルニア州議会がSB 1119をどう扱うか、また他州が同様の青少年向けAI安全対策を追随するかどうか。

  6. 6

    英中銀総裁、AIの金融リスクを警告

    イングランド銀行(BOE)総裁アンドリュー・ベイリー氏は、G20財務相・中央銀行総裁会議に向けた書簡で、高度なAIが金融インフラにリスクをもたらすと警告した。この書簡はノースカロライナ州アッシュビルでの年次会合前に公開された。 ベイリー氏は、AI市場における「資産評価の過熱」や、AI企業とハイパースケーラー間の循環的な投資取引に伴う債務を脆弱性として挙げた。また、大規模言語モデル(LLM)がサイバー攻撃を仕掛ける可能性や、大手投資会社が同じ第三者プロバイダーの技術を利用しているため、一つのプロバイダーが侵害されると複数の機関に影響が及ぶリスクも指摘した。国内の金融機関は、AI活用に伴うシステム障害やサイバー攻撃の同時多発リスクへの備えを迫られる可能性がある。

    ベイリー氏は、複数の機関や供給元に同時に影響する混乱に備え、大規模なサイバーインシデント後に「ベアメタル」から重要システムを復旧するための作業手順を整備するよう提言。また、AIがソフトウェアの脆弱性を迅速に発見できるため、銀行はパッチ適用をより迅速に行う必要があると指摘した。

今後の注目点

今後は、AI関連法案の税収が実際に雇用創出へどう結びつくのか、そしてOpenAIやAnthropicなどの大手企業がこうした課税にどう対応するのかが注目されます。また、カリフォルニア州だけでなく他州や最高裁でのAI活用・安全対策の動きが、全国的なルールづくりや企業の責任に影響を与えるかが焦点となるでしょう。

情報ソース

このニュースを友達にシェア

気になりそうな人に、今日のまとめをそのまま送れます。

AITodayで毎日のAIニュースを無料で受け取る

今日のAIを、今日の仕事に。Email / LINE / Slack 配信。

無料で登録する