
ServiceNowとSalesforceはともにAI好調を決算で示したが、市場への攻め方は異なる。
ServiceNowはクロスプラットフォームのワークフロー自動化に強み、売上高は24%増。
Salesforceはデータの堀とエージェントで勝負し、成長率11%ながら株価は割安だ。
何が起きたか
ServiceNowの第2四半期売上高は39.9億ドルで前年比24%増、AI関連ACVは10億ドル超、エージェント型AI顧客は9カ月で9倍に。Salesforceの売上高は113.5億ドルで11%増、AgentforceのARRは15億ドル超、AI・データ部門のARR合計は約40億ドル。
なぜ重要か
両社は企業AIを正反対の方向から攻めている。ServiceNowはクロスプラットフォームの「システム・オブ・アクション」(ワークフロー全体の統制された実行)を掲げ、Salesforceはフロントオフィス向け「システム・オブ・レコード」(データの堀をエージェントで収益化)を強みとする。ServiceNowの更新率98%、シート非連動型の新規事業50%は、エージェント消費時代の価格体系が整っていることを示す。国内企業が両社のAI導入経路の違いを踏まえ、自社の用途に合う選択肢を迫られる可能性がある。
注目点
ServiceNowは2026年度のサブスクリプション売上高見通しを157.6億~157.8億ドルに引き上げ。Salesforceは2027年度売上高を461億~464億ドルと予想し、PERは34倍に対し19倍と割安だが、成長率は半分。ClaudeForceは2026年9月に一般提供開始。SalesforceのAgentforce AWU成長(前期比97%)は、ContentfulとFinの統合後に試される。
記事は、エージェント型企業向けAIの戦いを2つのアーキテクチャの対決と位置づける。ServiceNowは「システム・オブ・アクション」として、あらゆるワークフロー、モデル、クラウドにまたがる実行を統制し、AI Control Towerは500社以上で稼働。NVIDIAとのProject Arc提携は、自律型デスクトップエージェントの深みを示す。対照的にSalesforceは「システム・オブ・レコード」の立場を守り、データの堀とAnthropic提携を活用してClaude、Slack、Teams、ChatGPTにデータを送り込む。両社ともAIの追い風を受けるが、決め手はエージェント消費に対応した価格モデルだろう。ServiceNowの新規事業の50%がシート非連動型であることは、使用量に応じて拡張できることを示す。一方、Salesforceの高倍数成長はAgentforceの継続にかかっている。筆者がServiceNowを支持するのは、エージェント消費が拡大したとき、単に助言するだけでなく実行するプラットフォームがより多くの価値を獲得するとの信念に基づく。ただし、利益率の圧縮や連邦政府向けオンプレミスの前倒しが短期的な数字を歪めるリスクも指摘する。投資家にとっては、成長(ServiceNow)か、価値(Salesforceの割安な株価と自社株買い)かの選択になるだろう。
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