
米国企業の間で中国製オープンAIモデルの採用が広がり始めた。モデル提供プラットフォームへの支払い企業は1月の4.5%から7月に6.1%へ増えた。
トムソン・ロイターやHarveyが実際に採用に踏み切った。
ただ、新規のAI購入者はまだ米国の大手を選んでいる。
何が起きたか
Rampのデータによると、モデル提供プラットフォーム(オープンソースや中国製モデルへのアクセスを提供)に支払う企業の割合は、2026年1月の4.5%から7月には6.1%に上昇した。トムソン・ロイターはアリババのQwenを基にした自社モデル「Thomson-1」を構築し、Claudeで処理していた文書レビュー業務を移行。HarveyもムーンショットのKimi K3を基にした新モデルを発表した。
なぜ重要か
クローズドソースの米国製モデルと中国製オープンウェイトモデルの差が縮まり、企業は微調整の機会やコスト、データ管理の面で中国製の選択肢に魅力を感じ始めている。ただし、新規顧客は依然としてAnthropicやOpenAIを選んでおり、直接の支出減にはまだつながっていない。国内のAI活用企業は、性能とコストの折り合いを踏まえたモデル選定の選択肢が広がる可能性がある。
注目点
Anthropicの最新モデル「Fable 5」は、最も先進的とされる一方で、Anthropicのトークン利用のわずか6%、支出の11.4%しか占めない。一方、OpenAIの「GPT-5.6 Sol」はトークンの25%、支出の23%を占める。企業は最高性能モデルにプレミアムを払わなくなりつつあり、オープンソースがその隙間を埋める可能性がある。
今回のデータが示すのは、米国の最先端AIラボが価格設定の限界に直面しつつあるという構図だ。AnthropicのFable 5は米政府が一時国外アクセスを停止するほどの性能とされる一方、その売上比率は低く、Rampの経済学者は「市場の天井」と表現する。一方で、中国勢はDeepSeekやMoonshotによる価格圧力に加え、Z.AIが新モデルを低価格で投入するなど、攻勢を強めている。Hugging Faceのデータでも、2026年のほぼ毎月、最大かつ最も高性能なオープンモデルは中国の研究所から出ている。オープンソースモデルの台頭は、企業に対し、最先端モデルに高い料金を払う代わりに、自社データで微調整した安価なモデルを選ぶという新たな選択肢を提供している。この流れが米国勢の収益に本格的な影響を与えるかが、次の焦点となる。
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