
何が起きたか
CADDiがシリーズDで1億1400万ドルを調達し、企業価値は12億ドルに。2025年3月時点の4億7000万ドルから2倍超となる。
なぜ重要か
混沌とした設計・生産データを整理するAIへの根強い需要を投資家が評価した形だ。ただし売上高や顧客数は非開示のまま。設計・生産データをAIで整理するCADDiの成長は、国内製造業の従来の仕事の進め方を変える契機になりうる。
注目点
売上は前年比2倍超で伸び、顧客は22カ国に広がる。加藤勇志郎CEOは最大の障壁をチェンジマネジメント、つまり従来の仕事の進め方を変えさせることだと語る。
誰に効くか製造業の設計・生産部門、特に日本では加藤氏いわく最大手製造業100社の半数超がCADDiを利用しており、部品の標準化や設計レビューの進め方を変えることを求められている。
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CADDiの最初の製品CADDi Drawerは、地味だが切実な問題に切り込んだ。メーカーは似た部品を異なるサプライヤーから過剰に買ってしまう。ソフトは図面を取り込み、顧客自身のデータベースから既に購入済みか在庫にある類似・同一部品を検索し、その不良率を報告。顧客は既存在庫の活用、既存サプライヤーからの再発注、新規サプライヤーの試用を選べる。同社はこの2年でこれを「製造業向けAIデータプラットフォーム」へと拡張し、CADファイルやERP、人事システムのデータを統合。人とAIエージェントの双方が使えるようにした。DrawerはCADDi Explorerとなり、CADDi Agentと6つの業務特化型「ワークフロー」製品が加わった。
この拡張の根拠は、製造知識が実際どこに宿るかについての加藤勇志郎CEOの主張にある。製造工程に関する知識の8割超、そしてしばしばなぜ特定のサプライヤーを選び、なぜ部品を特定の設計にしたのかという理由すら、どこにも記録されず、経験豊富な従業員の頭の中にしかないと同氏は言う。CADDiのプラットフォームは、ベテラン技術者や作業者の暗黙知を吸い上げる製品も通じて、それを捕捉し体系化するために作られている。加藤氏の論考はこの野心を「物理のボトルネック」の打破と位置づける。AIの能力は複利で伸びているのに、新車は依然として構想から納車まで約4年かかり、価値が物理世界で薄まってしまうというわけだ。
今回の調達資金は、製品ラインの拡充、3D CADファイルや2D図面など製造業特有のデータを理解するAIモデルの構築、北米を軸としたグローバル展開、採用に充てる。加藤氏によれば売上は前年比2倍超で伸び、顧客は22カ国に広がり、日本では最大手製造業100社の半数超がCADDiを利用する。ただし売上高や顧客数は非開示で、この広がりがどれだけ持続的な収益につながるかは外部からは見えない。評価額をプラットフォームの持続力への賭けと読むなら、成否はCADDiのカスタマーサクセスと「フォワードデプロイドエンジニア」モデルが、販売先組織のチェンジマネジメントを克服し続けられるかにかかっている。
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