
何が起きたか
4月に開設された東京理科大学のロボット未来創造センターは、AIが実験を計画しヒューマノイド「Mahoro」が自動実行する研究を進めており、iPS細胞の再生医療が重点目標。
なぜ重要か
同センターの神田元則副センター長は、大規模な研究拠点がなければ日本は実験環境を米国や中国に依存することになると警告する。
注目点
ロボットによる作業が細胞の品質を安定させ、将来の治療費低下につながるかは、日本がこうした大規模研究拠点を築けるかにかかる。AstellasとYaskawaの合弁事業の連携に注目。
誰に効くか日本の製薬研究者や再生医療科学者は、細胞をより安定的に大量生産する手段を得られる可能性がある。一方、こうした業務を国内で維持できるかは、大規模研究拠点を築けるかにかかっている。
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AIとロボティクスを融合し、実世界で自律的に動作する機械「フィジカルAI」をめぐる世界的な競争が加速しており、米国と中国が多額の資金を投じている。日本はこの分野を成長戦略に位置づけ、医療・創薬応用に力を入れている。その最前線の一つが4月に開設された東京理科大学のロボット未来創造センターで、神田元則副センター長らが、AIが実験方法を考え汎用ヒューマノイド「Mahoro」が自動で実行する研究に取り組んでいる。薬剤量・手順・タイミングの膨大な組み合わせを試し、AIが結果を評価して次の実験に反映する。
特に期待されているのがiPS細胞による再生医療だ。2014年に患者自身のiPS細胞から作った網膜細胞の世界初の移植を成し遂げた高橋政代氏は、細胞を安定的に大量生産することが依然課題だと指摘する。ロボット導入で作業を定量化し品質を安定させられれば、将来の治療費低下にもつながる可能性がある。中国ではヒューマノイドロボット開発が急速に進み、日本との差を懸念する研究者もいる。神田氏は、大規模な研究拠点がなければ日本は将来、実験環境を米国と中国に依存することになると主張する。
企業も動いている。Astellas PharmaとYaskawa Electricは合弁事業Cellafa Bioscienceを設立し、日本の二つの強みである産業用ロボットとiPS細胞を組み合わせ、再生医療の社会実装を目指す。こうした取り組みが実際に細胞の品質を安定させ治療費を下げられるかは、神田氏が必要だと説く大規模研究拠点を日本が築けるか、そしてAstellasとYaskawaの合弁事業がロボティクスと細胞の組み合わせを実用的な治療法にできるかどうかにかかっていそうだ。
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