
連邦判事が、AI企業Anthropicをブラックリスト化しようとした国防総省の動きを阻止。
判事は認定が違法な報復だと判断。
2億ドルの軍契約を巡る紛争が背景にある。
何が起きたか
カリフォルニア州の連邦判事リタ・リン氏が、国防総省が2月27日に下したAnthropicをサプライチェーンリスクと認定し連邦契約の対象外とする決定を無効にした。この判決は、軍需請負業者がAnthropicと取引することを禁じる懲罰的措置も解除し、国防総省、財務省、国務省、国土安全保障省を含む9つの省庁が不当に科した制裁も撤廃した。
なぜ重要か
判決は、この認定が違憲の報復であるとし、「恣意的で、気まぐれで、裁量権の濫用であり、法に適合しない」と述べた。この訴訟は、AnthropicのClaudeモデルを巡る2億ドル規模の契約をめぐる紛争に端を発する。契約は、Anthropicが致死性自律兵器や大量監視に関する制限を求めたのに対し、ピート・ヘグセス国防長官が一切の制限を拒否したことで決裂した。日本の軍需関連企業は、AI契約を巡る司法判断の影響を受ける可能性がある。
注目点
国防総省は控訴すると見込まれる。判事は、国防総省がAnthropicのモデルを使用する義務はないと認めており、判決は他社のモデルを選ぶことを妨げない。Anthropicが別途起こしているワシントンDCでの訴訟は継続中だ。
紛争の始まりは、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束作戦にClaudeが使用されたとの報道を受けてのことだった。Palantirの従業員が、Anthropicのスタッフからモデルの使用方法についての懸念を米政府当局者に伝えた。これをきっかけに2億ドル規模の契約交渉が決裂し、ヘグセス氏がAnthropicの使用制限への姿勢を罰したと広く見られている。
判事は、国防総省が示した公式な理由——Anthropicに機密システムへのアクセスを認めることは「許容できないリスク」をもたらす——が、継続中の協力関係と矛盾すると判断した。リン氏は、政府が機密性の高い文脈で新モデル「Mythos」を巡るAnthropicとの協力を協議していることを指摘し、Anthropicを妨害者とする主張と矛盾すると述べた。これは、認定が真の安全保障上の懸念ではなく報復であることを示唆しており、裁判所の判決もこの見解を支持している。
Anthropicの最先端モデルは世界最高水準とされ、トランプ政権のAI監視枠組みの対象となっているが、法的闘争はまだ終わっていない。国防総省は控訴すると見込まれ、DCでの訴訟も継続中だ。判決により連邦契約の即時禁止は解除されたが、国防総省にAnthropicのモデル使用を強制するものではなく、商業関係の行方は不透明なままだ。
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