
何が起きたか
アンソロピックは9月23日、分子生物学研究室でClaudeのエージェント950体が21時間後に既知の酵素周辺の未記載の反復パターンを見つけ、初の発見と発表した。
なぜ重要か
このパターンはCRISPRにつながったものを思わせるとされ、AIが実際に何をしたのかという評価の在り方が問われている。
注目点
メストレは自身のチームが既にこのパターンを発見済みでClaudeとの対話から学んだ可能性を指摘し、Claudeの利用を全てやめると述べている。
誰に効くかAIを使った研究開発の成果を発表する製薬・バイオ企業の研究者や広報担当は、AIの貢献を「発見」と表現する際の基準づくりを迫られる可能性がある。
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アンソロピックが9月23日に公表したのは、自社のAIシステムが科学研究の主体になり得るという主張だった。だが、その根拠とされる発見は、既知の酵素の周辺にある反復パターンであり、新しい配列そのものではない。CRISPRにつながったものを思わせるという表現は、あたかも画期的な成果であるかのような印象を与える。
これに対して、製薬会社イーライリリーの会長兼CEOも賛同したハリントンの投稿は、パターンの発見自体は簡単な部分であり、そのシステムが実際に何をしているかの解明こそが難しいと指摘する。さらにコペンハーゲン大学のメストレは、自身のチームが既にこのパターンを発見していたと述べ、Claudeが自分の対話から学んだ可能性を指摘した。アンソロピックは否定しているが、メストレはClaudeの利用を全てやめるという。
問題の核心は、AI企業が自社システムを顕微鏡やスーパーコンピューターのような道具としてではなく、発見の主体として提示している点にあるとみられる。20万件の候補を絞り込むことはれっきとした科学的作業だが、判断基準が「Claude自身が発見したのか」になると、成果がブレークスルーか失敗かの二者択一で語られてしまう。AIによる科学的ブレークスルーの基準を引き上げることは、アルトマンCEOとアモデイCEOが互いを出し抜こうと競う中で優先順位が低いのかもしれない。
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