
米国の7月雇用統計が予想を大幅に下回り、連邦準備制度理事会の利上げ圧力が緩和されると見られたことで、米3大株価指数が上昇しました。
企業では、医療向けプラットフォームのDoximityが新AI検索ツールの収益が運営コストの10倍に達していることを発表し、37%の株価上昇につながりました。
何が起きたか
米労働統計局が7月の雇用統計を発表し、非農業雇用者数が23,000人減少(Bloomberg予想80,000人増)、失業率は4.1%に低下しました。この結果を受け、米3大株価指数が上昇し、Doximityは新AI検索ツールの好調を背景に37%上昇、Atlassianは30%上昇しました。
なぜ重要か
雇用統計が予想を大幅に下回ったことで、投資家は米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを急ぎ辛いと判断しました。企業業績では、Doximityが新AI検索ツールの収益が運営コストの10倍に達していると発表し、AIツールの商用化が既に現実の利益をもたらし始めていることが示されました。
注目点
Doximityは2027会計年度の売上見通しを6億7,100万~6億8,100万ドル(従来見通し6億6,400万~6億7,600万ドル)に上方修正しました。またAtlassianは2027会計年度の売上成長率を約13%と見込んでいます。
米労働統計局が7月の雇用統計を発表したところ、非農業雇用者数が23,000人減少と、Bloomberg調査による80,000人の増加予想を大幅に下回りました。失業率は前月の4.2%から4.1%に低下し、Bloomberg予想の4.2%を上回る改善となりました。労働力参加率は前月の61.5%から61.4%に低下しています。さらに6月と5月の雇用者数がそれぞれ20,000人増と63,000人増に下方修正され、合計103,000人の累積下方修正となりました。この統計結果は、FRBが利上げを急ぐ必要がないと市場に認識させ、米3大株価指数は金曜日の昼間取引で上昇しました。
企業決算発表では、Doximityが好調な業績と新AI検索ツールの成功を報告しました。同社は第1四半期(会計年度ベース)の調整済み1株当たり利益が0.29ドルで、前年同期の0.36ドルから低下し、FactSet予想の0.30ドルも下回りました。一方、同四半期の売上は1億5,660万ドルで、前年の1億4,590万ドルから増加し、FactSet予想の1億5,180万ドルを上回りました。
Doximityの最高経営責任者Jeffrey Tangney氏は決算説明会で、新AI検索ツールが生み出す収益が運営コストの10倍に達していることを述べ、AI事業の商用化の成功を強調しました。この発表を受け、Doximity株は昼間取引で37%上昇しました。同社は第2四半期の売上見通しを1億7,000万~1億7,100万ドルとし、FactSet予想の1億7,180万ドルを下回る見通しを示した一方、会計年度2027年の売上見通しを6億7,100万~6億8,100万ドルに上方修正し、従来の6億6,400万~6億7,600万ドルから引き上げました。
Atlassianも決算で好調さを示しました。第4四半期(会計年度ベース)の非GAAP純利益が1株当たり1.87ドルで、前年の0.98ドルから大幅に増加し、FactSet予想の1.50ドルも上回りました。同四半期の売上は17億7,000万ドルで、前年の13億8,000万ドルから増加し、FactSet予想の16億6,000万ドルを超えました。同社は第1四半期の売上見通しを17億1,000万~17億2,000万ドルとし、FactSet予想の16億7,000万ドルを上回る見通しを示しました。会計年度2027年の売上成長率は約13%を見込んでいます。Atlassian株は30%上昇しました。
インフラ面では、中国のAI企業がNvidiaチップを確保する動きに注目が集まっています。米商務省産業安全保障局が、中国のAI企業がクラウド容量をレンタルすることでNvidiaチップを入手する方法について審査を進めていることがBloombergによって報じられました。一方、Amazon Web Servicesの内部ではAI需要の急増によってサーバー容量の逼迫が生じており、エンジニアがCPUサーバー容量確保に従来より長い待ち時間(数時間から数日へ)を強いられています。AWSのエンジニアには遊休EC2インスタンスの廃止と計算機利用の削減が指示されており、AIインフラ需要がテック企業の内部資源配分に大きな影響を与えている状況が明らかになっています。
7月の米雇用統計では非農業雇用者数が23,000人減少と予想を大幅に下回り、6月と5月の雇用者数も下方修正されて累計103,000人の減少となりました。この結果、投資家はFRBが利上げを急ぐ必要がないと判断し、金融市場全体にポジティブな反応をもたらしました。
一方、企業業績では特にAIツールの商用化が注目されています。Doximityは新AI検索ツールの収益が運営コストの10倍に達していることを発表し、投資家の強い買い需要につながりました。AtlassianやAmazon Web Servicesなど大手テック企業もAI需要への対応を加速させており、インフラ整備や容量確保に経営資源を振り向けている段階とみられます。
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