
何が起きたか
第一三共ヘルスケアは健康な成人310人の顔画像をディープラーニングと統計的手法で解析し、目に見える特徴と体内・心身の指標に関連の可能性を報告した。
なぜ重要か
検査値やスコアだけでは実感しにくい自身の状態を、顔画像で自覚する新たな用途を示すものだと同社は説明する。
注目点
結果は診断ではなく可能性としての提示であり、大規模化と解析手法の高度化で精度が向上するかが焦点。参加者拡大と手法改良という今後の方針に注目だ。
誰に効くかこれは消費者向け健康・スキンケア製品のチームに影響する——同社はセルフケアソリューションの基礎研究と位置づけている——ほか、クリニック外で自身の状態を追跡する人々にも関わりうるが、結果はあくまで可能性として説明されている。
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この取り組みの出発点は、同社が説明する実用的なギャップにある。血液検査や問診票、ウェアラブル端末は進歩したが、検査値やスコアだけでは自身の状態として実感しにくく、セルフケアや行動変容には必ずしもつながらない。一方で顔画像から体内・心身の状態を推定する研究は進んでいるが、AIが捉えた情報を本人が理解し自分のものにできるかは十分に明らかではなかった。
第一三共ヘルスケアのアプローチは、顔をAI解析の対象としてだけでなく、本人が鏡で見る日常的な視覚情報としても扱うことだった。研究では二つの手法を組み合わせた。炎症、老化変化、酸化、ホルモン、ストレス、疲労、不眠といった指標の高低群を判別できるかを検証するディープラーニングと、抽出した八つの目に見える特徴——肌の明るさ、頬の赤み、黄色み、目の下の影、目尻のしわ、目尻の小じわ、きめ細かい肌、ほうれい線の深さ——を血液検査値や心身データに結びつける統計解析だ。二つの結果を照合すると、ディープラーニングが示した指標の一部は、目に見える特徴との関連も示した。
鍵を握るのは、参加者数を増やし解析手法を高度化することが、顔画像から得られる精度の向上に実際につながるか、そして同社が利用者に分かりやすい機能を構築できるかどうかだ。診断ではなくセルフケア支援という位置づけである以上、短期的な価値は臨床的な主張ではなく、これらのシグナルが一般利用者の気づきと行動にどれだけ結びつくかで判断されるだろう。
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