
BlackRockが6月にSilicon Valleyで実施した年次ツアーから、AI投資が衛星・自動運転・ロボットなど物理層へ拡大していることが浮かび上がった。
計算資源と電力をめぐる制約が産業全体の次の成長段階を決める要因になると指摘されている。
何が起きたか
BlackRockのTony Kimが13回目の年次テクノロジーツアー(6月、San Francisco・Silicon Valley、300マイル超移動、35人参加)から戻り、AI投資の焦点が過去2年のモデル開発から、データセンター・チップ・電力・低軌道衛星・自動運転トラック・ヒューマノイドロボティクスといった物理インフラへシフトしていることを明らかにした。
なぜ重要か
AIの価値生成の中心が『コンピュート・モデル中心の企業』へ移行しており、市場全体の技術企業向け投資判断の枠組みが変わりつつある。特にデータセンター・チップ・電力・光学・パッケージング・半導体の供給制約が次フェーズのAI成長を左右する可能性がある。衛星コンステレーション経由でのAIモデル用新種データ(衛星画像)の取得と、地上の電力・規制負荷を軽減するための宇宙計算への移行が選択肢として浮上している。
注目点
今後5年間で自動運転車とヒューマノイドロボットが『数百万台以上』の生産・運用段階に入る可能性がある。テキサス州では来年初頭からドライバーなし自動運転トラックの実際の採用が始まる見込み(Waabi)。
BlackRockが13回目となる年次テクノロジーツアーをSan FranciscoとSilicon Valleyで開催(6月、35人参加、300マイル超移動)。過去2年間AI波のもとでの投資対話は主にモデル開発に集中していたが、今年は対話内容の様相が大きく変わったとTony Kimは報告している。具体的には、AIプロジェクトの規模と範囲が過去2年の想定を上回り、チップとデータセンター設計が急速に進化し、モデルが人脳に近い構造へ向かい、複数モダリティ(言語、衛星画像)が同時進行している点、そして何より『技術企業で恩恵を受ける主体がコンピュート・モデル中心の企業へシフト』していることが市場構造的な転換を示唆している。この変化のもとで、従来型の技術企業のビジネスモデルや『ポストAGI世界での役割』が投資家から改めて問われるようになった。Planet Labsの衛星業者や、Waabi等の自動運転企業の事例からは、地上のデータセンター建設時の電力・規制の制約を迂回し、かつ衛星画像といった新種データで別モダリティのAIを構築する選択肢が産業の関心を集めていることが窺える。5年のタイムスケールで自動運転車とヒューマノイドロボットが『数百万台以上』の生産段階に入る可能性があるとの予測は、物理的なAI実装がもはや予測段階ではなく現実段階に入りつつあることを示唆している。
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