
何が起きたか
塩野義製薬は2026年4月に全社規模のMicrosoft Copilot展開を完了した。2025年秋の生成AI利用率100%というトップ指示と、2026年2月の提案から1カ月後の承認を受けたもの。
なぜ重要か
塩野義製薬がCopilotを選んだ主因はセキュリティとガバナンスで、データが自社テナント内に留まる点だった。機能一覧ではなくコンプライアンス面が企業のAI導入を左右し得ることを示す。
注目点
新ツールに抵抗してきた規制の厳しい部門が自らAI利用ルールの改定を起草し始めており、この自発的なルール作りが展開自体を超えて広がるかが試金石となる。
誰に効くか製薬のコンプライアンス、品質、薬事部門——塩野義製薬内で規制対象プロセスにAIを使う前に社内業務ルールを書き換える必要がある職務——に変化が表れている。
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塩野義製薬の取り組みは中期経営計画「STS2030 Revision」の一環で、全社的な生産性向上と高付加価値業務へのリソースシフトを進めてきた。技術推進部門として専任のGenerative AIグループを立ち上げ、2025年秋には全社員の生成AI利用率100%という明確なトップダウン指示が出された。この2つの動きが、散発的な効率化プロジェクトを業務の進め方全体を変える全社的な取り組みへと転換させた。
決定に際しては多角的な比較検討が行われ、既存のMicrosoft Office環境との円滑な統合を理由にMicrosoft Copilotが選ばれた。決め手となったのはセキュリティとガバナンスで、データが自社テナント内に留まることが大きかった。費用対効果を超えた意識改革への期待を含む経営層の理解が、2026年2月の提案から翌月の承認、そして2026年4月の全社展開完了という異例の速さを支えたとみられる。
今や焦点はツールよりもルールにある。展開以降、利用ログは会社負担のモデルと実践的なワークショップに支えられて着実に増加し、変化は業務速度だけでなく考え方にも表れている。注目すべきは、新システムに慎重な傾向がある規制の厳しい部門までもが、自らの運用ルールの改定を自発的に検討し始めたことだ。この自発的なルール書き換えが標準となるのか、一部チームに留まるのかが、塩野義製薬の規制対象業務にAIがどこまで浸透するかを左右しそうだ。
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