
ザッカーバーグがAIの多角化戦略を発表した。
Metaの売上97.6%が広告で占められるなか、エージェント型AIとクラウドサービスで新しい収入源を開拓する狙いだ。
ただし現状はAI部門で年間46億ドルの損失を計上しており、商業化まで課題が残る。
何が起きたか
Meta CEOマーク・ザッカーバーグが6500語の公開書簡を発表し、エージェント型AI(自分で判断して作業するAI)を主流技術にする戦略を説明した。ザッカーバーグは「誰もが自分を理解し、目標と関心事を把握する、非常に有能なパーソナルエージェントを持つようになる」と述べた。
なぜ重要か
Metaの売上の97.6%は広告が占めており(2四半期)、メタバースへの多額投資は失敗に終わった。AI事業と新型クラウドサービスへの投資が、数年来追求してきた広告依存からの脱却を実現できるとみられる。ただし現状ではAI部門で年間46億ドルの営業損失を出している(Reality Labs、2四半期)。
注目点
Metaの株価収益率は20倍で、広告事業だけでも低い水準にあり、AI事業での商業的成功が実現すれば大幅な株価上昇につながる可能性がある。一方、Amazon・Microsoft・Alphabetはクラウド市場の60%以上を支配しており、AI市場でも同様の寡占構造が形成されれば、増額投資の正当化が難しくなる。
Metaは過去数年間、広告以外の事業多角化を模索してきたが、メタバース投資は想定した成果を上げられなかった。ザッカーバーグの新しいAI戦略は、この多角化の転機と位置づけられる。2四半期の実績を見ると、売上全体は前年同期比28%の増加で好調だが、営業利益は8%減少しており、AI関連の投資が利益圧迫の一因となっている。ザッカーバーグは公開書簡でこの投資の正当性を主張した形だ。
ただし、クラウド市場ではAmazon・Microsoft・Alphabetの3社が60%以上の市場シェアを握っており、Oracle(4位)でさえ4%の市場シェアしかない現状を見ると、AI市場でも同じような寡占構造が形成される可能性がある。Metaが今後の投資を商業的成功に結びつけられるかが重要だ。投資家にとって、2四半期時点での株価収益率20倍という低い水準は、AI事業の成功時には大幅な株価上昇のポテンシャルを秘めている一方で、失敗時にはメタバース投資の教訓が蘇る可能性もある。
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