
何が起きたか
Huntressは攻撃者が「Plus 5.6」のカスタムGPTからGoogle Sitesの偽CAPTCHAへ誘導しPowerShellでRATを感染させる8段階経路を確認した。
なぜ重要か
正規の「chatgpt.com」内で開くページやGoogle Sites上の偽認証画面が入口となるため、利用者が信頼できるサービス上での操作と誤認しやすいとみられる。
注目点
Huntressは同じGoogle Sitesのドメインで40件以上確認し2件がカスタムGPT経由。OpenAIは2026年12月11日に提供終了予定と発表した。
誰に効くかChatGPTの利用者や、社内で外部AIサービス利用を許可している情報システム部門は、検索広告や共有リンク経由で見慣れないGPTページに誘導され、コマンド実行を求められるリスクを認識する必要がある。
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Huntressが確認した一連の攻撃は、ユーザーがGoogleで「chatgpt」と検索し、スポンサー表示された検索結果から攻撃者のカスタムGPTへアクセスするケースから始まっていた。リンク先は正規の「chatgpt.com」で、攻撃者はカスタムGPTを「Plus 5.6」と名付け、本物のChatGPTモデルであるかのように見せていた。ページには第三者が作成したGPTであることを示す「community builder」という表示もあったが、カスタムGPTの仕組みを知らないユーザーには通常のChatGPT画面に見える可能性があったとHuntressは指摘している。
「Plus 5.6」に何か入力すると「メインのドメインでの利用が制限されている」という趣旨の案内が表示され、サービスを続けるにはChatGPT Plusへアップグレードするか「バックアップドメイン」を利用するよう促された。バックアップ先として示されたのはGoogle Sites上のページだった。Google Sites上ではCloudflareのCAPTCHA認証画面を思わせるページが表示されるが、認証に必要だとして案内される操作は「指定されたPowerShellコマンドをWindows上で貼り付けて実行する」というものだった。Huntressは一連の手口を「ClickFix」だと説明している。
ユーザーが指示通りに操作すると難読化されたPowerShellスクリプトがダウンロードされ、続いて悪意のあるMSI形式のインストーラーがひそかに実行される。Huntressによると今回の感染経路は複数の処理に分かれており、一般的なClickFix攻撃より複雑な8段階の感染経路が用意されていた。さらに攻撃者はキヤノンが署名した正規の実行ファイルを利用し、不正なDLLを読み込ませる「DLLサイドローディング」という手法を用いていた。感染後はWindows起動時に動作する設定とスケジュールされたタスクの2種類を登録し、マルウェアを継続して動作できる状態にしていたとのこと。最終的にRATが実行され、感染したPCのウイルス対策ソフトやMicrosoft Defenderの状態、ネットワーク設定、インストール済みソフトウェア、ハードウェア情報などを調べる機能が確認された。
Huntressは以前にも、共有されたChatGPTの会話やClaudeの共有コンテンツなど、信頼されているAIサービスを悪用してユーザーに悪意あるリンクをクリックさせたり、コマンドを実行させたりする攻撃を確認している。攻撃者はChatGPTやGoogle Sitesといった信頼されているサービスをソーシャルエンジニアリングの入口として利用し続けているとHuntressは指摘し、注意を呼びかけている。こうした手口への対策は、利用者側の警戒だけでなく、プラットフォーム側が正規サービス内の不正な作成物をどれだけ迅速に検出・削除できるかにかかっているとみられる。
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