
何が起きたか
ディスコの2026年7~9月期の個別出荷額速報値は前年同期比60.0%増の1,239億円となり、四半期で過去最高を更新した。
なぜ重要か
精密加工装置とツール双方が生成AI向けに伸びており、AI投資が後工程の切断・研削・研磨にも波及しているとみられる。
注目点
速報値であり確定値と異なる可能性があり、正式な決算発表は10月22日。利益確定売りで株価は発表翌日に6%台下落した。
誰に効くか半導体製造装置の受注・出荷動向を追うアナリストや、生成AI向けのHBMや後工程装置への投資判断を担うファンドマネージャーに影響が及ぶ。
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ディスコは機械製品の売上計上を顧客での検収時としており、売上高と実際の市場動向との間に乖離が生じやすい。そのため市場との連動性がより高い参考指標として出荷額を速報開示してきた。今回の速報値では、生成AI向けを中心に精密加工装置と精密加工ツールの双方が高水準で推移し、前四半期(2026年4~6月期)の1,165億円からも6.4%増加、前年同期の774億円から大きく伸びた。
個別売上高は前年同期比38.9%増の1,185億円、上期累計は2,136億円で直近の個別業績予想に対する達成率は106.2%に達した。個別数値をもとにした回帰分析では、連結売上高1,439億円、連結出荷額1,491億円に相当し、いずれも会社計画とアナリストのコンセンサス予想を上回った。為替の影響は軽微で、同期間の想定為替レートは1ドル=159円前後と会社の想定とおおむね一致していた。
市場ではHBMの仕様簡素化への懸念が浮上するなか、NVIDIAが次世代AIチップ「Rubin Ultra」のHBM構成を12段積層から8段積層を含む複数の代替案に広げて検討に入ったとされる。同社は8段積層を否定的には捉えておらず、積層数が減ることでHBMパッケージ数が増え、モールド個片化装置の使用量が拡大する可能性があると分析している。
発表翌日の東京株式市場ではディスコ株が大幅に反落し、前日比6%台の下落で取引を終えた。大幅増収ながら「想定内」「サプライズは乏しい」との見方が優勢で利益確定売りにつながった。今回の数値は監査終了前の速報値であり、確定値と異なる可能性がある。正式な決算発表は10月22日。AI投資が後工程の加工工程にどこまで広がるかを占う上で、確定値の内容とHBM仕様の最終決定が焦点となる。
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