
何が起きたか
Nicholas Carlini氏が200MHzのPentium Proに移植したStockfish 17と現代のRyzen 7 PC上の1996年製Crafty 11.13を100局対戦させ、旧機が78勝17分5敗だった。
なぜ重要か
1995年頃のPCで動く現代チェスソフトが、高速な現代PCで動く1996年のプログラムを破り、この対決ではソフト改善がハードの進歩を上回り得ることを示した。
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この実験は、約120MHzで動作する30基のプロセッサとチェス専用チップ480個を搭載したマシンがGarry Kasparovを破った1997年のDeep Blueにさかのぼる。Carlini氏は、Kasparovを破るのにそれほど大規模なシステムが必要だったのか、1996年頃の民生PCで現代のチェスAIを動かせば代用できたのかを問うた。検証のため、同氏は64MBメモリの1995年頃のPentium Pro PCを使い、1996年のプログラムCrafty 11.13と大幅に改変した現代エンジンStockfish 17を対戦させた。Pentium Pro上のCrafty 11.13は1手1秒でElo 1999±90、10秒で2383±77だった。同じプログラムをRyzen 7 PCで動かすと1手1秒で2614±97に達し、ハードの速度だけでどれだけ寄与するかが分かる。次にCarlini氏はCraftyに30年分のソフト改善(探索枝刈りやNNUEニューラルネット評価)を加え、同じ旧Pentium Pro上で1秒2718±34、10秒2974±74まで引き上げた。Stockfish 17をPentium Proに移植すると1手30秒でElo 3180±80に達し、長時間のトーナメント条件では約3300と推定した。Carlini氏は1996年から現在までの1335ポイントのElo向上も分解し、720ポイントをプログラム改善のみに帰した。コンピュータEloと人間のトーナメントEloの比較は不完全であり、3300という数字は測定値ではなく推定値だと同氏は注記した。それでも差は十分大きく、旧Pentium Pro上の改良版StockfishはKasparovにまず勝つだろうと結論づけた。
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