
何が起きたか
モルガン・スタンレーとアポロの調査でAIが格差拡大。影響受けやすい世帯は株式保有。影響大きい職種の賃金上昇率は2023年以降6.7ポイント鈍化。
なぜ重要か
AIが格差是正の切り札になるとの期待はデータに反する。低賃金労働者の給与は伸びず、企業の利益率は総付加価値の15.2%と戦後最高水準に接近。これは生産性向上ではなく値上げによるものだ。
注目点
賃金抑制は企業がAI利用を続けるかにかかる。2026年初頭75件のデータセンター建設計画阻止事例も。政治的逆風が焦点。
誰に効くかAIに曝露された職種の最下位賃金労働者は、年間推定280億ドルの賃金上昇機会を失っている。一方、株式の87%を保有する上位所得世帯は、AI関連の収入減少を株式ポートフォリオで相殺でき、労働収入が1%減少しても4%の株高で補える。
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本記事はウォール街の最近の調査を総合し、AIが喧伝されたような格差是正の手段ではないと論じる。モルガン・スタンレーの経済学チームは、AI曝露度の高い職種が大卒・高所得の都市部世帯に集中していることを発見した。しかし、こうした世帯は株式資産に守られており、理論上のリスクを負う層が同時に経済的にも隔離されていることを意味する。
対照的に、アポロ・グローバル・マネジメントとIESEビジネススクールの研究は、AIの賃金への影響が曝露職種の最下位賃金層に及んでいることを示す。彼らは失業ではなく賃金上昇の鈍化を被っており、企業は価格支配力を強め利益率を戦後最高水準近くまで押し上げている。この賃金抑制は企業の意図的な戦略であり、賃金を据え置きながら値上げするための口実としてAIを利用している可能性がある。
データセンターへの反発やAIへの不信感という形で可視化された世論は、この非対称性を既に認識しているようだ。封鎖やモラトリアムなどの政治的対応は、この問題が経済的課題であるだけでなく、政治的な重荷でもあることを示している。
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