
Waymoは自動運転技術で、単一AIモデルのE2E方式には対応困難な場面があると主張している。
業界の主流アプローチとは異なり、複数システムの組み合わせで安全性を確保する戦略を採用している。
何が起きたか
Waymoは2026年8月19日、自動運転AI戦略について説明会を開催。同社の自動運転技術「Waymo Driver」の責任者Srikanth Thirumalaiが登壇し、単一のAIモデルでEnd-to-End(E2E)方式の自動運転を実現する手法に対し、2つの大きな問題があると指摘した。
なぜ重要か
業界では1~2年以内にセンサーから得たデータをマルチモーダル(複数種類の情報を処理する)AIで学習させ、単一モデルのE2E方式で自動運転を実現しようとする動きが広がっている。Waymoはこのアプローチではなく、複数のシステムを組み合わせる戦略を採っており、自動運転技術の開発方針の違いが浮き彫りになった形だ。日本国内で自動運転技術の開発を進める企業にとって、単一AIモデルのE2E方式には予測不可能な環境対応と並行判断制御に課題があるとみられ、複数システムの組み合わせが重要である可能性がある。
注目点
Waymoが指摘する第1の問題は、予測不可能な環境での対応困難。第2は、走行中に複数の重要な判断が並行して発生した際、単一モデルでは制御しきれない点。同社はこれらを解決するため、ドライバー・シミュレーター・批評システム(Critic)など複数の技術を組み合わせた「Waymo Foundation Model」を活用している。
Waymoは2013年にディープラーニングやニューラルネットワークを応用するなど、自動運転AIの先駆者としての地位を築いてきた。2017年にTransformerモデル、2020年にSOTA(最先端)のディープラーニング、2023年にVLM(視覚言語モデル)とLLM(大規模言語モデル)といった最新AI技術を次々と導入してきた背景がある。
Thirumalaiが強調する「Waymo Driverの認識能力は3km以上の先を見据える」というコメントから、同社は長期的な予測と複数の判断基準を必要とする自動運転の複雑性を、単一モデルでは解決できないと判断している。業界で主流になりつつあるE2E方式への批判は、Waymoが実運用で直面した課題(人命に関わるエラーの削減など)に基づいており、自動運転技術の開発において「モデルの効率性」と「実装の安全性」のバランスをどう取るかという根本的な課題を指し示している。
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