
サイバー犯罪は2030年に15.6兆ドルへ達すると予測。
世界第3位の経済規模になる。
マスターカードCEOは犯罪者と銀行が生成AIを競って導入し、新たな不正リスクが生じると警告。
何が起きたか
マスターカードCEOのマイケル・ミーバック氏は、世界のサイバー犯罪が2030年までに15.6兆ドルに達し、経済規模で世界第3位になると警告した。
なぜ重要か
犯罪者と金融機関が生成AIを巡る軍拡競争を繰り広げる中、この予測はサイバー脅威による金融リスクの規模を浮き彫りにしている。銀行は不正検知にAIを活用する一方、犯罪者は新たな攻撃手法を生み出すためにAIを使っている。国内の金融機関は、生成AIを巡る犯罪側との競争激化で、サイバー脅威への対応強化を迫られる可能性がある。
注目点
ミーバック氏は、AIエージェントが消費者の代わりに購入や送金を管理する動きに特に懸念を示した。利便性の裏に隠れたセキュリティリスクが存在し、業界はまだ対応に苦慮している。
マスターカードCEOミーバック氏の警告は、サイバー犯罪を主流のビジネス議論で語られることの少ない規模で捉えている。コスト項目や運用リスクではなく、ひとつの経済圏としてだ。2030年に15.6兆ドルという予測は、サイバー犯罪を最大の国家経済と並ぶ水準に押し上げ、金融システムの脆弱性がここまで拡大したことを示す。ミーバック氏はこの脅威を対称的な軍拡競争に根差したものと位置づける。銀行や金融機関は不正を検知・防止するために生成AIを導入する一方、詐欺師は同じ技術を使ってより巧妙な攻撃を仕掛ける。この構図は、いずれの側も恒久的に優位に立てない「ランニングマシン効果」を生む。マクロ経済の枠組みに加え、ミーバック氏は具体的な不安要因として、AIエージェントへの送金管理の委任を挙げる。消費者や企業が購入や財務判断を自律的に行う自動化ツールを採用するにつれ、新たな攻撃対象が生まれる。自律エージェントの利便性と、業界がまだ十分に理解も対策もできていないセキュリティリスクが天秤にかけられる構図だ。
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