
何が起きたか
Google DeepMindが9月8日、ヒトゲノムの約90億通り全ての一塩基変異の分子的影響を予測する検索可能なデータベース「AlphaGenome Atlas」を公開。学術利用は無料。
なぜ重要か
タンパク質を作らないゲノムの98%を含む非コード領域も対象。AlphaGenomeの予測とAlphaMissenseスコアを統合し、影響が大きい変異を迅速にランク付けできる。
注目点
実地での検証が鍵。Broad InstituteはAVIスコアでてんかん性脳症に関連するDNM1変異を特定。Exeter大学は標準手法より22%多く非コード変異の関連を検出した。
誰に効くか希少疾患を研究するアカデミア研究者、特に大規模な全ゲノムデータを解析する研究者は、ラボ実験なしに候補変異をスクリーニングできるようになる。未開拓の非コード領域での発見が加速する可能性がある。
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今回のリリースは、Google DeepMindが昨年6月に発表したゲノム解析AI「AlphaGenome」の直接の延長線上にある。同社は研究者が関心のある変異ごとにAIを実行する手間を省くため、約90億通り全ての一塩基変異の結果を事前計算し、検索可能にした。その規模は大きく、データベースは1ペタバイトに達し、タンパク質構造予測を収めたAlphaFold Databaseの30倍以上に及ぶ。非コード領域を含めた点も注目される。ヒトゲノムは約30億塩基対だが、タンパク質をコードするのはわずか約2%で、残る98%は遺伝子制御に関わり、多くが未解明のままである。この領域を網羅することで、AlphaGenome Atlasは非コード領域での原因変異探索を実用的にしたい考えだ。Broad InstituteがAVIスコアを用いててんかん性脳症関連のDNM1変異を特定し、Exeter大学では非コード変異の関連検出率が標準手法より22%向上したとする初期検証結果は実用性を示唆するが、いずれも開発者側が示す例に基づく。真の試練は、独立した研究グループが多様な疾患とデータでこれらの予測を臨床的に意味ある知見に変換できるかどうかだろう。データベースは9月8日から学術研究者に無料公開され、商用利用はGoogle Cloud経由で提供される。ゲノム研究の標準ツールとして確立しつつ、企業向け利用で収益化する戦略とみられる。
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