
求職者がChatGPT VoiceでAI採用担当の電話に応答した。
ボット同士は10分間話し、人間からの連絡はなかった。
AI面接が一般的になり、求職者の63%が経験しているとされる。
何が起きたか
クリストファーという求職者は、IT企業エバーフォース・アクシス・システムズの採用担当「ライリー」によるAI面接を5回受けた後も返答がなかった。そこで自身の経歴をChatGPT Voiceに与え、10分間の通話をライリーと代行させた。2つのボットは雑談を交わし、オンボーディングの話でループにはまった。
なぜ重要か
この実験は、企業が音声AIで候補者をふるいにかける一方、応募者もAIで応じるという対立の構図が広がっている実態を浮き彫りにする。偽の候補者ドン・ディックナーを使った23分のボット同士の通話も、人間からの連絡はなく終わり、クリストファーはこれを「粗製濫造の勢い」と評した。国内の企業が音声AIで採用選考を進める中、応募側も同様にAIで対抗する動きが生じる可能性がある。
注目点
採用担当バイスプレジデントのマーク・モナハンはこれを「次の論理的段階」と呼び、「ボットを送るなら、こちらもボットを送る」と話す。AI面接の検出はすでに市場化しており、リボンのような新興企業は「過度に台本通りで、AI支援またはコーチングされた」応答を警告するサービスを提供している。
クリストファーの経験は、AIが応募者と採用担当者の両方にとって、就職活動のあらゆる段階に浸透している現状を反映している。採用担当者は応募の多さに圧倒され、採用プラットフォームのグリーンハウスによると、求職者の63%がAI面接を経験しているという。音声AIは、アクセントや割り込みに弱いという課題もあるが、応募数の多さが実用的なツールにしている。
同時に、応募者側もAIで応じるようになり、互いに合成人格を送り合う軍拡競争の様相を呈している。リボンのようなAI採用スタートアップは「過度に台本通りで、AI支援またはコーチングされた」回答を警告する機能を提供し、この慣行が広く浸透していることを認めている。
ChatGPTの人格とライリーが雑談を交わし、標準的な質問でループしたクリストファーの事例は、ボット同士の面接が日常的になる未来を示唆している。欺瞞的と見る向きもあるが、IQorのマーク・モナハンはこれを論理的な進化と捉える。彼の「ボットを送るなら、こちらもボットを送る」という言葉は、相互不信と、AIを介した採用がデータが合成人格から合成人格へ流れるだけで人間の成果がない空虚な営みになる可能性を物語っている。
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