
何が起きたか
METiS TechBio(HKEX:7666)はAiLNP AIプラットフォームによる脂質ナノ粒子設計の研究契約でEli Lillyから最大11億ドルのマイルストーン支払いを受け取る可能性がある。
なぜ重要か
両社は脂質ナノ粒子が標的組織に届く精度の向上を目指す。METiSによれば複数の疾患領域で治療性能を高められる可能性があるが、対象疾患やモダリティは発表されていない。
誰に効くかAI薬物送達の提携を評価する製薬R&D・事業開発チームは、Lillyがマイルストーンとして最大11億ドルをコミットする用意がある点に注目するだろう。香港上場のAIプラットフォーム企業を追うバイオ投資家は、METiSのAiLNPアプローチを裏付けるものと受け止める可能性がある。
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LillyとMETiSの契約は、すべてを自社で構築するのではなく外部のAI能力を取り込むLillyのパターンに沿うものだ。今年に入りLillyは、もう一つの香港上場企業であるInsilico Medicineとより大型のAI契約を締結し、特定の適応症向けに前臨床段階の新規経口治療薬を開発・製造・商業化する世界的独占ライセンスを確保した。加えて、InsilicoのPharma.AIプラットフォームを用いてLillyが選ぶ標的に関する複数の研究開発プログラムも手がける。LillyのAndrew Adamsは、InsilicoのAIを活用した創薬能力をLillyの臨床開発の専門性を補完するものと評した。
Lillyは自社のAI計算基盤にも投資してきた。NVIDIAは2025年10月、Lillyが1,016基のBlackwell Ultra GPUを搭載したDGX B300システムによるDGX SuperPODを導入していると発表した。NVIDIAはこれを、製薬企業が完全に所有・運用する最大かつ最も強力なAIファクトリーと表現した。Lillyはこのシステムを使い、大規模な生物医学基盤モデルやフロンティアモデルを訓練する予定で、一部のモデルは、バイオ企業がLillyの独自データ(価値10億ドル相当)に基づく創薬モデルを利用できるプラットフォーム「Lilly TuneLab」に搭載される。
こうした状況を踏まえると、METiSとの契約は範囲がより狭く、METiSのAiLNPプラットフォームによる脂質ナノ粒子設計に特化している。ただし最大11億ドルというマイルストーン構造は、組織特異性を高めうる送達技術にLillyがどれだけ支払う用意があるかを示す。METiS CEOのChris Laiは、業界がより高度なモダリティへと拡大する中で送達が治療成功の重要な要素だと述べた。この論拠が、Lillyが創薬と送達の両面で複数のAI関連提携に署名する背景にあるとみられる。
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