
何が起きたか
富士フイルムホールディングスCDOの杉本征剛氏は、全従業員がAIを安全に使えるよう共通基盤・ガイドライン・研修を展開した上で、AI時代のCDOの役割を「企業のOS」づくりだと語った。
なぜ重要か
杉本氏によれば、議事録要約や情報収集などで成果が表れており、従業員が自らAIエージェントを開発・共有する段階に至った。ガバナンスを先行させた展開が、社員を単なる利用者ではなく作り手に変え得る証左だ。
注目点
同氏の「翻訳・接続・見極め」の力でAIブームに流されずに済むか、データ資産・セキュリティ・AIガバナンス・信頼という柱がグループ全体の変革を進める中で維持されるかが試される。
誰に効くか日本企業の多くが、統制を失わずに全従業員へAIを展開する方法を模索している。杉本氏の説明は、従業員が自らAIエージェントを構築する前に、共通基盤・ガイドライン・研修を土台として整えることの重要性を示している。
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杉本氏がCDOの座に就くまでの道のりは情報工学一筋だ。1989年に入社し、一貫してシステム開発とAI研究に携わってきた。現在はCDOの肩書きに加えてCIOとCISOの役割も担い、グループ全体の変革を推進している。同氏のアプローチを象徴する取り組みの一つが、富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーションの技術基盤を統合するために構築した共通プラットフォームだ。両社は組織文化も技術スタックも異なっていたが、同氏によれば、「話せば分かる」という信念のもと、現場の声に耳を傾けながら共通の目標へと導くことが道を開いたという。
この同じ考え方、すなわち相手の課題と立場を理解し、共感を通じて協力関係を築くという姿勢は、AI活用の枠組みにも通じている。グループはまず、全従業員が安全に使える共通基盤を提供し、徹底したガイドラインと教育で支え、その上で全社展開に踏み切った。同氏の説明によれば、その成果は日々の業務に表れている。議事録の要約、情報収集、アイデア創出などがその例で、生産性とアウトプットの質の両方に目を配っている。
焦点は、グループがデータ資産、情報セキュリティ、AIガバナンス、信頼を軸にする中で、この基盤が持ちこたえるかどうかにかかっている。他の大企業にとっての示唆は、より難しいのはモデルの選定ではなく、どの技術が真に適合するかを見極めることだという点だ。杉本氏はこの判断を企業価値の源泉と位置づけており、それが正しいかどうかは、時間と社内での継続的な活用によってのみ試される。
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